吉田裕史(指揮)
プッチーニ・フェスで「トゥーランドット」を指揮
マントヴァ歌劇場音楽監督
10月にリゴレット・フェスを開催
プッチーニが30年暮らした村トッレ・デル・ラーゴで毎夏開催されるプッチーニ・フェスティバルで「トゥーランドット」を指揮する。このフェスで日本人指揮者がプッチーニ作品を指揮するのは初めて。
「夏の野外4大フェスティバルの一つで、斜塔のあるピサの近くにある高級保養地です。荒川静香さんのおかげで日本でも『トゥーランドット』を知る人が多くなりました。屋外はローマのカラカラ浴場で経験していますが、オペラ専用に作られた劇場での公演は楽しみです」
現在はイタリアに住むが、以前はミュンヘンで準・メルクルのアシスタントを務めていた。「初めの頃、バイエルン国立歌劇場でやっているものはすべてハイレベルなものと思っていました。スタイルや音色の違いがよく分かりませんでした。『椿姫』をスカラ座でみたら色彩感も何も違う。ふるえまくりでした」
2002年、本場を知るために、ローマに引っ越し、チョン・ミョンフンが首席指揮者を務めていたサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の練習を見て、またローマ歌劇場などで8年修業を続けた。
「サヴァリッシュさんが来て『リエンツィ』を振ったときです。どうしても軽くイタリア・オペラのようになってしまう。全部の音符を美しい音で歌わないと気が済まないのです。プッチーニの音楽のうねりは他の国のオーケストラには出ません」
着実にキャリアを踏み固め、今年1月にはマントヴァ歌劇場の音楽監督に就任した。「人口約5万人の町ですから、いってみればセリエBの劇場です。専属のオーケストラがあるのはセリエAの12の劇場など。私たちはロンバルディア州にあるオーケストラをいくつかの劇場と共同で使います。客席は1000席、今シーズンはオペラが4つにバレエが2つ上演されます」
10月にヴェルディのオペラにちなみリゴレット・フェスティバルが開催される。「マントヴァ侯爵の宮殿などゆかりの場所がいくつもあります。5カ所ほどで、『リゴレット』のミニオペラを時間をずらして上演、最後に劇場で見るという趣向です。町すべてを『リゴレット』一色にします。一つの演目に特化した世界初のフェスティバルです」
将来、マントヴァ歌劇場を日本に連れてくることを夢見ている。
「最初、マエストロ・ジャポネーゼと書かれるのは日本人が珍しいからと思いましたが、日本に敬意を持っているからと分かりました。来年日本フェスティバルも予定されています。任期中はできるだけクリエイティヴに頑張りたい」
Hirofumi Yoshida
1968年生まれ。東京音楽大学指揮科及び同研究科修了。96年、シエナ、キジアーナ音楽院マスターコースで、チョン・ミョンフン、ユーリ・テミルカーノフの下研鑽を積む。準・メルクルのアシスタントを務める。2005年、第1回バルトーク国際オペラ指揮者コンクール第3位。07年、日本人として初めてローマ歌劇場、カラカラ野外劇場にて「道化師」「ロミオとジュリエット」を指揮。10年1月、マントヴァ歌劇場音楽監督に就任。
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■コンサート
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」
7月31日(土)、8月6日(金)
プッチーニ・フェスティバル(7月16日―8月22日)
ヴェルディ:歌劇「リゴレット」
10月29日・31日 マントヴァ歌劇場(マントヴァ)
11月5日・7日 ベルガモ・ドニゼッティ歌劇場(ベルガモ)
11月13日・14日 ジーリオ歌劇場(ルッカ)
12月8日・10日・11日・12日 ヴェルディ歌劇場(サッサリ)
2011年3月11日・13日 コッチャ歌劇場(ノヴァーラ)