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小菅優(ピアノ)

2010年7月14日 14:23 管理者 | 個別ページ

小菅優(ピアノ)


   ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏
   「音楽のように見えないものを感じることこそ
   大切だと思います」


小菅優1.jpg 今秋からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を演奏するシリーズ(全8回)を始める。この企画にも驚かされるが、第1回の演奏会のチラシに寄せた文章に、この人のまじめさ、頭の良さを感じずにはいられない。
 いわく「却ってコンピューターなどに支配されている今の世界は表面的になりつつあります。見えるもののみに興味が向いてきているこの世界、音楽のような見えないものを感じることこそ大切だと、私は思います」。演奏家には珍しく、自分の演奏を社会とのかかわりの中から見つめ直すことができる。10歳からドイツで育ったことも影響しているのかもしれない。
 「この世の中に暮らしていて、考えることは若くてもいっぱいあるのです。音楽をしていて無力に思うことがあります。世の中に影響を与えられないことに。人によい音楽を聴いてもらうだけでは物足りません。私自身は他の人の演奏会に行ってインスパイアされることや、人生観が変わってしまうようなことがあるのですから」
 過去のライブ録音を聴くことも好きだという。チェリビダッケのブルックナー、フルトヴェングラーのベートーヴェン、メンゲルベルクのマタイ受難曲など27歳とは思えない古いアーティストをあげた。とにかくさまざまなことに興味があり、自分の栄養としている。オペラも好きで、4月末にウィーンで「ばらの騎士」を見たことを喜んでいた。映画は年に200本見た年もあったという。好きな監督としてマーティン・スコセッシやブライアン・デ・パルマなどをあげ、「おじさんぽいといわれる」と笑う。
 ではなぜベートーヴェンの全曲演奏なのか。
 「ずっと前から考えていたことですが、今一番やりたいのがベートーヴェンでした。ベートーヴェンの曲には、世の中を変えてしまうようなすごさ、勇気を感じます。若い世代に今訴えるために、若い自分が弾かなければならない。ベートーヴェンは何がいいたかったのか、自分も一緒に考えていきたい。ドイツでも音楽学生がコンサートに行きません。ただこもって練習していてもしようがない。コンサートに行くとすごく勉強になります。先生のいったことをただやるだけではだめ。自分で考えてクリエイトしていかなければアーティストになれません」ときっぱり。
 昨年初めてバイロイト音楽祭に行き、「トリスタンとイゾルデ」を聴いた。
 「バイロイトはオーケストラがピットの中で見えないので、聴覚に集中しなければいけません。見えない音楽で涙が出てきました」

 

Yu Kosuge
高度なテクニックと美しい音色、若々しい感性と深い楽曲理解で最も注目を浴びている若手ピアニストの一人。1983年東京生まれ。東京音楽大学付属音楽教室を経て、93年よりヨーロッパ在住。9歳でリサイタルを開き、オーケストラと共演している。2006年8月、ザルツブルク音楽祭で日本人ピアニストとして2人目となるリサイタル・デビューを果たす。 第13回新日鉄音楽賞 、アメリカ・ワシントン賞、第17回出光音楽賞などを受賞。


こ こ で 聴 く

■コンサート
ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ
全曲演奏会シリーズ第1回
10月21日(木)19:00 いずみホール(大阪)
10月27日(水)19:00 紀尾井ホール
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番
ピアノ・ソナタ第2番
ピアノ・ソナタ第3番
■問い合わせ:カジモト・イープラス
☎0570-06-9960

吉田裕史(指揮)

2010年7月14日 14:18 管理者 | 個別ページ

吉田裕史(指揮)


   プッチーニ・フェスで「トゥーランドット」を指揮
   マントヴァ歌劇場音楽監督
   10月にリゴレット・フェスを開催


吉田裕史.jpg プッチーニが30年暮らした村トッレ・デル・ラーゴで毎夏開催されるプッチーニ・フェスティバルで「トゥーランドット」を指揮する。このフェスで日本人指揮者がプッチーニ作品を指揮するのは初めて。
 「夏の野外4大フェスティバルの一つで、斜塔のあるピサの近くにある高級保養地です。荒川静香さんのおかげで日本でも『トゥーランドット』を知る人が多くなりました。屋外はローマのカラカラ浴場で経験していますが、オペラ専用に作られた劇場での公演は楽しみです」
 現在はイタリアに住むが、以前はミュンヘンで準・メルクルのアシスタントを務めていた。「初めの頃、バイエルン国立歌劇場でやっているものはすべてハイレベルなものと思っていました。スタイルや音色の違いがよく分かりませんでした。『椿姫』をスカラ座でみたら色彩感も何も違う。ふるえまくりでした」
 2002年、本場を知るために、ローマに引っ越し、チョン・ミョンフンが首席指揮者を務めていたサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の練習を見て、またローマ歌劇場などで8年修業を続けた。
 「サヴァリッシュさんが来て『リエンツィ』を振ったときです。どうしても軽くイタリア・オペラのようになってしまう。全部の音符を美しい音で歌わないと気が済まないのです。プッチーニの音楽のうねりは他の国のオーケストラには出ません」
 着実にキャリアを踏み固め、今年1月にはマントヴァ歌劇場の音楽監督に就任した。「人口約5万人の町ですから、いってみればセリエBの劇場です。専属のオーケストラがあるのはセリエAの12の劇場など。私たちはロンバルディア州にあるオーケストラをいくつかの劇場と共同で使います。客席は1000席、今シーズンはオペラが4つにバレエが2つ上演されます」
 10月にヴェルディのオペラにちなみリゴレット・フェスティバルが開催される。「マントヴァ侯爵の宮殿などゆかりの場所がいくつもあります。5カ所ほどで、『リゴレット』のミニオペラを時間をずらして上演、最後に劇場で見るという趣向です。町すべてを『リゴレット』一色にします。一つの演目に特化した世界初のフェスティバルです」
 将来、マントヴァ歌劇場を日本に連れてくることを夢見ている。
 「最初、マエストロ・ジャポネーゼと書かれるのは日本人が珍しいからと思いましたが、日本に敬意を持っているからと分かりました。来年日本フェスティバルも予定されています。任期中はできるだけクリエイティヴに頑張りたい」


Hirofumi Yoshida
1968年生まれ。東京音楽大学指揮科及び同研究科修了。96年、シエナ、キジアーナ音楽院マスターコースで、チョン・ミョンフン、ユーリ・テミルカーノフの下研鑽を積む。準・メルクルのアシスタントを務める。2005年、第1回バルトーク国際オペラ指揮者コンクール第3位。07年、日本人として初めてローマ歌劇場、カラカラ野外劇場にて「道化師」「ロミオとジュリエット」を指揮。10年1月、マントヴァ歌劇場音楽監督に就任。

 

こ こ で 聴 く

■コンサート
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」
7月31日(土)、8月6日(金)
プッチーニ・フェスティバル(7月16日―8月22日)

ヴェルディ:歌劇「リゴレット」
10月29日・31日 マントヴァ歌劇場(マントヴァ)
11月5日・7日 ベルガモ・ドニゼッティ歌劇場(ベルガモ)
11月13日・14日 ジーリオ歌劇場(ルッカ)
12月8日・10日・11日・12日 ヴェルディ歌劇場(サッサリ)
2011年3月11日・13日 コッチャ歌劇場(ノヴァーラ) 

マーラー:交響曲第2番「復活」

2010年7月14日 14:14 管理者 | 個別ページ

マーラー:交響曲第2番「復活」

自然な感情移入と室内楽的な緻密さで構築

復活.jpgナタリー・デセー(ソプラノ)
アリス・クート(メゾ・ソプラノ)
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
オルフェオン・ドノスティアラ(合唱)
フランクフルト放送交響楽団
(ヴァージン)TOCE-90137/8
3800円


 フランクフルト放送響のマーラー演奏の伝統に新たな一頁を書き記す演奏といえるだろう。ヤルヴィは大げさな身ぶりを完全に排し、室内楽的な緻密さを持って全体を構築していく。フォルティシモでも響きの混濁は一切ない。過度に客観的になることなく、きわめて自然な感情移入を伴っているところにも好感が持てる。終楽章の圧倒的な高揚感も特筆に値する。ナタリー・デセーの透明な声のソロもヤルヴィの解釈にふさわしいものだ。合唱の水準も高い。

ショパン:バラード

2010年7月14日 14:07 管理者 | 個別ページ

ショパン:バラード

ショパンになりきって激しいピアノを聴かせる

及川浩治1.jpg●ショパン:バラード第1番〜第4番/ノクターン第16番/プレリュード第25番/スケルツォ第2番
及川浩治(ピアノ)
(エイベックス)AVCL-25495
3000円


 99年のショパン没後150年に「ショパンの旅」と題したツアーを行って多くの聴衆を魅了した及川浩治が、ショパン生誕200年を記念して「バラード」を録音。常に作曲家その人になりきって演奏する及川、レコーディングでも作曲家の魂を代弁するような熱くはげしいピアノを聴かせている。以前からショパンは作曲家の心の奥からの叫びのように演奏されていたが、この「バラード」ではより感情表現が濃厚になり、音の語りも雄弁である。

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