尾高忠明と大阪フィル、得意のエルガーで大阪、東京公演
■尾高忠明指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団第595回定期演奏会
アンナ・ルチア・リヒター(メゾ・ソプラノ)*
エルガー:《弦楽のためのセレナード》、《海の絵》*、交響曲第3番(ペインによる補筆完成版)
2月13日(金) 19:00、14日(土)15:00 フェスティバルホール
〔同プログラム・出演者で第58回東京定期演奏会 2月17日(火)19:00 サントリーホール〕
■ヤン・ヴィレム・デ・フリーント指揮 京都市交響楽団第708回定期演奏会
シューベルト:交響曲第4番《悲劇的》、
ブルックナー:交響曲第3番 (初稿/1873年)
2月13日(金)19:00、14日(土)14:30 京都コンサートホール 大ホール
■クリスティアン・アルミンク指揮広島交響楽団第458回プレミアム定期演奏会
久末航(p)、ジークムント(テノール):村上敏明、
ジークリンデ(ソプラノ):渡邊仁美、フンディング(バス・バリトン):志村文彦
リスト:ピアノ協奏曲第1番、
ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》より第1幕(演奏会形式・字幕付き)
2月14日(土)15:00 広島文化学園HBGホール
主に西日本の演奏会から紹介する。円熟の関係を深める尾高忠明と大阪フィルが、尾高が得意のレパートリーとするエルガー作品3曲で定期演奏会に臨む。尾高は、90年代にBBCウェールズ響(現BBCウェールズ・ナショナル管〕の音楽監督を務め、1999年には英エルガー協会から「エルガー・メダル」を授与された。25年4月には、大フィルとの演奏で大作オラトリオ《ゲロンティアスの夢》も取り上げた。今回は未完の交響曲第3番をペインによる補筆完成版で演奏する。同プログラムで演奏する2月の東京定期も注目だ。今月は、べートーヴェン・チクルス最終回の《第九》もある(23日(月・祝)14:00 ザ・シンフォニーホール)。
京都市交響楽団の首席客演指揮者を務めるデ・フリーントが、シューベルトとブルックナーの交響曲を取り上げる。オランダ出身の指揮者兼ヴァイオリニストで、ピリオド奏法を熟知し、オペラ・宗教曲などにも鋭い解釈を見せる。ベルリン・フィルにデビューした直後のHIMARIと共演して注目を集めた25年8月の定期では、後半のモーツァルト《レクイエム》で精緻な演奏を聴かせた。今回は、ブルックナー第3番《ワーグナー》の初稿版などを響きの優れた本拠地で味わいたい。
そのワーグナーでは、広島交響楽団が、音楽監督アルミンクの指揮で楽劇《ワルキューレ》第1幕を演奏会形式で取り上げる。圧倒的な歌唱力と演奏力、そして体力が問われるワーグナー作品にジークムント役の村上敏明(テノール)ら日本の声楽陣とオーケストラがどう挑むか。前半は、久末航を独奏に迎えて、リストのピアノ協奏曲第1番を取り上げる。
札響と名古屋フィル、東京で《英雄の生涯》競演
■エリアス・グランディ指揮 札幌交響楽団 東京公演2026
ベンヤミン・アップル(Br)
武満徹:《ア・ウェイ・ア・ローンⅡ》、マーラー:《さすらう若人の歌》、
R.シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》
2月 5日(木)19:00 サントリーホール
■川瀬賢太郎指揮 名古屋フィル東京特別公演
五藤希愛(語り)、大田智美(アコーディオン)
武満徹:《系図-若い人たちのための音楽詩》、R. シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》
2月24日(火)19:00 サントリーホール
■原田慶太楼指揮 東京交響楽団 モーツァルト・マチネ第64回
成田達輝(vn)
モーツァルト:交響曲第31番《パリ》、ヴァイオリン協奏曲第2番、
???(ミステリーピース)、他
2月14日(土) 11:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
■エリアフ・インバル指揮 東京都交響楽団〈第3次マーラー・シリーズ2〉
(第1036回定期演奏会Aシリーズ*、都響スペシャル)
隠岐彩夏(S) 、藤村実穂子・山下裕賀(Ms)、妻屋秀和(Bs)、
新国立劇場合唱団、東京少年少女合唱隊、他
マーラー:交響曲第8番《千人の交響曲》
2月15日(日) 14:00 、16日(月)19:00 サントリーホール、
17日(火)19:00 東京文化会館*
札響と名古屋フィルが東京で特別公演を行う。それぞれ定期演奏会のプログラムでサントリーホールに乗り込むわけだが、奇しくもR. シュトラウスの《英雄の生涯》で火花を散らすこととなった。名古屋フィルは、音楽監督の任期延長が発表されますます波に乗る川瀬賢太郎が指揮、コンサートマスター小川響子のソロも楽しみだ。札響は、首席指揮者グランディにとって最初のシーズンの締めくくりともなる演奏会。誰がコンサートマスターを務めるかは発表されていない(12月9日現在)。
週末の午前中にミューザ川崎で開かれる東響の「モーツァルト・マチネ」は、毎回工夫を凝らしたプログラムで楽しい。第64回のテーマは「ニ長調で聴くモーツァルト」。ニ長調の作品だけで固めたプログラムだが、タクトを執る原田慶太楼によると「タイトルに入っていないけれど実はニ長調だった名曲も選曲」されているという。モーツァルトのニ長調シャワーを1時間浴びて、会場を出る足取りも軽やかに…。
都響創立60周年とインバル90歳を記念してのマーラー《千人の交響曲》も要注目だが、こちらは予定枚数終了。1994~96年、2012~14年に続く〈インバル/都響 第3次マーラー・シリーズ〉の第2弾となる。2024年2月の第10番(デリック・クック補筆版)から始まり、基本的に番号を遡り、数シーズンかけて、第1番か第9番のどちらかをもって完結するという。
ショパン・コンクールの余韻が続いている。5位入賞ヴィンセント・オンのリサイタルはぜひ紹介したかったが、チケットは発売と同時に瞬間蒸発するが如く売り切れてしまった(2月5日、浜離宮朝日ホール)。