神戸市室内管、ファリャ、ビゼーの「情熱」で問う存続問題
■ロベルト・フォレス・べセス指揮神戸市室内管弦楽団第173回定期演奏会
「からみあう情熱」
6月20日(土) 15: 00 神戸文化ホール 大ホール
ホアキン・アチュカロ(ピアノ)、神戸市混声合唱団
大澤壽人:小ミサ曲[世界初演]、ラヴェル:混声合唱と管弦楽のための「道行く恋人たち」、
ファリャ:スペインの庭の夜、ビゼー/シチェドリン:カルメン組曲
■酒井茜 ピアノで巡る旅 vol.2「幻想と光」
6月 6日(土)15:00 Halle Runde(名古屋)
ショパン:幻想曲、スクリャービン:ソナタ第2番《幻想ソナタ》、
藤倉大:Akiko’s Diary for piano、ベートーヴェン:幻想曲、ソナタ第32番
■下野竜也指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団 第169回定期演奏会
「ドイツ・ロマン派の系譜」
6月12日(金)・13日(土)・14日(日)15:00
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
五明佳廉(ヴァイオリン)
メンデルスゾーン:序曲《ルイ・ブラス》、シューマン:ヴァイオリン協奏曲、
R.シュトラウス:家庭交響曲
主に西日本の演奏会から紹介する。自治体からの補助金停止問題で揺れる神戸市室内管弦楽団がスペイン出身の指揮者ロベルト・フォレス・べセスを迎えて定期演奏会を開く。イギリス室内管の首席客演指揮者を務める俊英。「からみあう情熱」と題し、ファリャ《スペインの夜の庭》、ビゼー/シチェドリンの《カルメン組曲》などラテンの香りを伝える。ファリャのピアノ独奏は、スペインを代表する93歳の巨匠ホアキン・アチュカロ。前半のプログラムでは、戦前に欧米で活躍した神戸市出身の作曲家大澤壽人《小ミサ曲》の世界初演も。合唱は神戸市混声合唱団。5、6月定期の来場者数は存廃の議論にも影響すると関係者。高いレベルの演奏を続けてきた公共のオケと合唱団の共演を、耳の肥えた聴衆で支えたい。
アルゲリッチとの共演も多いピアニスト酒井茜が名古屋のルンデに登場。「幻想と光」をテーマに、スクリャービン、ベートーヴェンのソナタなどを演奏する。被爆ピアノをテーマに藤倉大が作曲し、アルゲリッチに献呈した協奏曲第4番《Akiko’sPiano》の独奏部分《Akiko’s Diary for piano》も演奏。国外に持ち出せない被爆ピアノの音色をデジタル音源化した電子ピアノで演奏する。酒井は同月末に、この電子ピアノを使い、ドイツ・ハンブルクで《Akiko’s Piano》の海外初演を予定している。
下野竜也が兵庫芸術文化センター管弦楽団の定期を振る。「ドイツ・ロマン派の系譜」と題してR.シュトラウス《家庭交響曲》などを取り上げる。シューマンの《ヴァイオリン協奏曲》独奏は、五明佳廉。
超実力者揃いの4人でベートーヴェン《ラズモフスキー》3曲を一気に
■ベートーヴェン:ラズモフスキー全3曲
6月6日(土) 13:30 神奈川県立音楽堂
白井圭・石原悠企(vn) 山本周(va) 上野通明(vc)
■サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン 葵トリオ ピアノ三重奏の世界~7年プロジェクト第6回
6月11日(木)19:00 サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
葵トリオ(秋元孝介、小川響子、伊東裕)
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第6番、武満徹:《ビトゥイーン・タイズ》、
ラヴェル:ピアノ三重奏曲[予定枚数終了]
■サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン
~J.S.バッハとシューベルト〈チェロ・ピッコロと歴史的鍵盤楽器〉
6月7日(日)15:00 サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
酒井淳(チェロ・ピッコロ)、渡邊順生(ポジティフオルガン&フォルテピアノ)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番、シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ、他
常に注目を浴びている若手チェリスト、上野通明(今月号インタビュー参照)。その呼びかけに超実力者3人が呼応し、ベートーヴェン中期の傑作を一気に演奏する。N響ゲスト・コンマスをへて現在室内楽でも積極的に活動する白井圭、読響第2ヴァイオリン首席奏者石原悠企、オーケストラ・アンサンブル金沢首席ヴィオラ奏者山本周。来年のベートーヴェン没後200年を見据えての企画、アンサンブルの継続も期待したい。
今年もサントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)に出演する葵トリオ。演目に没後30年の武満徹《ビトゥイーン・タイズ》が含まれていることに注目したい。冒頭には掲げなかったが、小菅優いずみ室内楽シリーズ Vol.3「希望」 (樫本大進(vn)、クラウディオ・ボルケス(vc)共演)でも同曲を取り上げており(6月30日、住友生命いずみホール)、東京と大阪で武満晩年の傑作の競演が実現することとなった。
CMGからもう1つ。この熟練デュオは、CMGで4度目の共演だという。今回は5弦のチェロ・ピッコロ(今月号特集参照)でバッハの無伴奏チェロ組曲第6番など。この機会にぜひ逃さないようにしたい。
最後に、注目のオーケストラ公演から。仙台フィル第391回定期演奏会は太田弦が指揮、地元宮城県出身の郷古廉が没後50年のブリテンの協奏曲を弾く(6月19、20日、日立システムズホール仙台)。都響第1046回定期演奏会Bシリーズは〈アーティスト・イン・レジデンス就任記念〉ペッカ・クーシストの指揮とヴァイオリンでシベリウスの交響曲第5番など(6月19日、サントリーホール。20日にも同公演あり)。