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新譜CD&DVD

交響曲・管弦楽曲・協奏曲

岡本稔◎音楽評論家

ムソルグスキー~ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」

ムソルグスキー~ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」

●ムソルグスキー~R=コルサコフ編:交響詩「はげ山の一夜」
●チャイコフスキー:「白鳥の湖」~ワルツ
グスターボ・ドゥダメル(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ユニバーサル)UCCG-1756 2808円

老獪な演奏にはない一気に描き上げた「展覧会の絵」

 ドゥダメルとウィーン・フィルによる初のセッション録音にあたる。2017年のニューイヤー・コンサートへの起用からもわかるようにウィーン・フィルでもドゥダメルの評価は高い。ここに収められた録音はそれを裏付けるものである。雄 こん な筆致で一気に描き上げたような「展覧会の絵」は、今のドゥダメルでなければできないものだろう。老 かい な演奏にはない勢いがある。「はげ山の一夜」における躍動するリズムもこの指揮者ならではのものであろう。

室内楽・器楽

伊熊よし子◎音楽ジャーナリスト

メランコリー/Mélancolie

メランコリー/Melancolie

●プーランク:メランコリー●シュット:かわいらしいエチュード●セヴラック:ロマンティックなワルツ●ショパン:ワルツ 第7番●グリーグ:君を愛す●サティ:グノシェンヌ第1番●ドビュッシー:奇人ラヴィーヌ将軍●シューマン:トロイメライ、他
斎藤雅広(ピアノ)
(ナミ・レコード)WWCC-7826 2700円

コルトーやフランソワの気品や知性をまとったショパン

 今年デビュー40周年を迎える斎藤雅広が、得意のショパンにシュット、セヴラックというあまり聴くことができない珍しい作品を盛り込んだアルバムを完成させた。シュット、セヴラックの作品は彼が中学生のころに出合ったもので、楽譜を探し、弾き込み、愛奏してきた曲である。斎藤雅広のショパンは、彼がこよなく愛すコルトーやフランソワの気品、知性、ウイット、ユーモアなどの衣をまとい、えもいわれぬ美質を放っている。

チェコ・ヴァイオリン音楽選

チェコ・ヴァイオリン音楽選

●マルティヌー:ヴァイオリン・ソナタ第2番/ヴァイオリンとピアノのためのソナティナ●ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ●スメタナ:わが故郷から~第1曲モデラート
黒沼ユリ子(ヴァイオリン)
ヤン・パネンカ(ピアノ)
(ビクター)VICC-60942 2000円

民族色豊かな旋律などチェコの偉大な遺産が復刻

 1958年プラハに留学し、チェコを「第2の祖国」と語る黒沼ユリ子が71年に録音したマルティヌー、ヤナーチェク、スメタナの作品集が新たに蘇った。ピアノはチェコの名手ヤン・パネンカで、演奏から悠久の歴史に彩られたチェコの文化、伝統、風景、人々の気質までもが浮かび上がってくるよう。ボヘミアの民族色豊かな旋律、舞踊のリズムが不思議なほどなつかしい感覚を放つ。黒沼ユリ子が聴き手へと手渡す、チェコの偉大なる遺産である。

オペラ&声楽

石戸谷結子◎音楽評論家

オー、ボーイ!~恋とはどんなものかしら

オー、ボーイ!~恋とはどんなものかしら

●モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」より「自分で自分が分からない」●オッフェンバック:歌劇[ホフマン物語]より「見たまえ、わななく弓の下で」、ほか全16曲
マリアンネ・クレバッサ(メゾ・ソプラノ)
マルク・ミンコフスキ指揮
ザルツブルク・モーツァルテウム管
(ワーナー)WPCS-13571 2808円
※Erato原盤

澄んだ声と初々しさが魅力!フランスの新星によるデビュー盤

 いまヨーロッパの歌劇場に次々と出演している新星メゾ・ソプラノ、マリアンネ・クレバッサの日本デビュー盤。フランスのモンペリエで生まれ、21歳でオペラ・デビュー。すでにザルツブルク音楽祭やスカラ座、ウィーン国立歌劇場などで活躍中。爽やかな美声でケルビーノやステファノ、ジーベルなど少年ズボン役を歌い、「皇帝ティトの慈悲」では 々しいセストの名アリアを熱唱する。澄んだ声と初々しい表現力、可愛らしい美貌がクレバッサの魅力だ。

「誰も寝てはならぬ」~レジェンド!
ホセ・カレーラス

「誰も寝てはならぬ」~レジェンド!ホセ・カレーラス

●プッチーニ:歌劇「トスカ」より「星は光りぬ」●歌劇「ラ・ボエーム」より「冷たい手を」●レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」より「衣装をつけろ」、ほか全16曲
(ワーナー)WPCS-13569 1512円

不世出の人気テノールの名唱を収めた生誕70歳を祝う記念盤

 3大テノールでは一番若かったホセも、昨年暮れに70歳を迎えた。これは生誕70歳の記念盤。オペラの舞台では「カルメン」「アンドレア・シェニエ」などの名演が記憶に残る。このアルバムでは切々と歌う「星は光りぬ」(1976年録音)や みず 々しい表現力の「冷たい手」(88年)、「この清らかな住まい」(88年)などが心に迫る感動的な名演だ。美声もさることながら、歌いまわしの巧さは格別で高音も輝かしい。不世出の名歌手の魅力が詰まったアルバム。