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新譜CD&DVD

交響曲・管弦楽曲・協奏曲

岡本稔◎音楽評論家

チャイコフスキー: 交響曲第5番、幻想序曲《ロメオとジュリエット》

チャイコフスキー:交響曲第5番、
幻想序曲《ロメオとジュリエット》

アジス・ショハキモフ(指揮)ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団
(ワーナー) 5419753851 オープン価格 ※輸入盤

タシケント生まれの注目の指揮者
磨き上げられた音色のデビュー盤

 1988年、タシケントに生まれ、ウラディーミル・スピヴァコフ主宰のロシア・ナショナル・フィルで学び、急速に活動範囲を広げ、ドイツ等の名門に客演を重ね、2021年からはストラスブール・フィルの音楽監督をつとめる注目株。このデビュー盤を聴いて、まず印象に強く残るのがオーケストラの響きの美しさだろう。各セクションが明瞭に、磨き上げられた音色で歌い、自発性も活かされている。全体像の描き方もきわめて巧みだ。

ブラームス:交響曲全集

ブラームス:交響曲全集

久石譲(指揮)フューチャー・オーケストラ・クラシックス
(オクタヴィア)OVCL-00820/21 9460円 ※3CD

際立つ軽やかな運動性
指揮の久石譲が存在感を主張

 「ロックのようなベートーヴェン」と話題を巻き起こした久石譲が、続いてブラームスで自らの存在を主張している。2020年から取り組んだブラームス・ツィクルスだが、初回の第1番についてはセッションで取り直す徹底ぶりを見せる。重厚長大の典型のように思われがちなブラームスだが、久石の手にかかるとより軽やかな運動性が際立つ。若手の有能な奏者たちが集うオーケストラが持つ瞬発力が随所で絶妙なアクセントを形成する。

室内楽・器楽

伊熊よし子◎音楽評論家

J.S.バッハ:《ゴルトベルク変奏曲》

J.S.バッハ:《ゴルトベルク変奏曲》

菊池洋子(ピアノ)
(エイベックス)AVCL84146 3300円

クリアな響きと自然体の奏法
満を持して臨んだ録音

 菊池洋子が、20年前から勉強しているというJ.S.バッハの《ゴルトベルク変奏曲》をついに録音。クリアな響きと自然体の奏法が、聴き手を1時間20分のバッハの旅へといざなう。イタリアからウィーンに移り、2023年3月からウィーン国立音楽大学でアシスタント・プロフェッサーを務めている彼女は、ヨーロッパにしっかり足を着けて音楽人生を歩んでいる。その自信が《ゴルトベルク》にも映し出され、説得力のあるバッハを生み出している。

オペラ&声楽

石戸谷結子◎音楽評論家

チャイコフスキー: 交響曲第5番、幻想序曲《ロメオとジュリエット》

プッチーニ:歌劇《トスカ》

アンナ・ネトレプコ(トスカ)、
フランチェスコ・メーリ(カヴァラドッシ)、
ルカ・サルシ(スカルピア)、ほか
リッカルド・シャイー(指揮)ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
ダヴィデ・リヴェルモレ(演出)
(キングインターナショナル)
KKC9798 6620円〈BD〉、KKC9799 4620円〈DVD〉
※輸入盤、C Major原盤、日本語字幕・解説付き

人気演出家によるスリリングな舞台
大スター3人の熱演とシャイーの指揮

 2019年12月7日、スカラ座シーズン・オープニング公演。演出は今、イタリアでは最も人気のあるリヴェルモレ。地下部分をせり上がりで見せる、大掛かりな装置とプロジェクション・マッピングを使った新鮮で、スリリングな舞台だ。トスカ役のネトレプコが大迫力で、2幕のスカルピア(ルカ・サルシ)を刺し殺す場面は手に汗握る。カヴァラドッシ役のメーリは、端正な歌い方とメリハリの効いた表現力で絶好調の歌唱を披露。大スター3人が熱演を繰り広げ、シャイーの指揮も熱い。

チャイコフスキー: 交響曲第5番、幻想序曲《ロメオとジュリエット》

モンテヴェルディ:歌劇《オルフェオ》

マルク・モイヨン(オルフェオ)、サラ・ミンガルド(女の使者)、ほか
ジョルディ・サヴァール(指揮)
ル・コンセール・デ・ナシオン&ラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャ
(ナクソス)NYCX10401 5280円
※輸入盤、VERSAILLES原盤、日本解説・歌詞付き

サヴァール最新の《オルフェオ》
穏やかな響きでゆったりとした演奏

  ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者として、また指揮者として古楽演奏を牽引してきたサヴァールの指揮(今年82歳)のもと、2021年にヴェルサイユ宮殿の歌劇場で録音された。サヴァールはこれまでに何度も《オルフェオ》の映像やCDを録音してきたモンテヴェルディのスペシャリスト。今回もモイヨン(オルフェオ)やミンガルド(女の使者)など、お気に入りの歌手を集めての録音だ。古楽の穏やかな響きを生かした、ゆったりとした演奏で、音楽をじっくりと聴かせる。