お薦めコンサート

石合 力◎朝日新聞編集委員

創立70周年の京都市響、米女性作曲家プライスの交響曲に注目

沖澤のどか指揮京都市交響楽団〈70周年記念プレミアム定期〉第717回定期演奏会

11月21日(土)14:30 京都コンサートホール
五嶋 みどり(vn) ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、F.プライス:交響曲第1番、他

〔この公演は完売。同プログラム公演=22日(日)15:00 兵庫県立芸術文化センター/
 23日(月・祝)16:00 ふくやま芸術文化ホール〕

ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル

11月23日(月・祝)14:00 ザ・シンフォニーホール
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番《熱情》、ショパン:12のエチュード op.25、他
〔21日(土)14:30 青森/24日(火)19:00 川崎/26日(木)19:00 名古屋/
 28日(土)14:00 富山/12月1日(火)19:00 東京/12月3日(木)19:00 仙台
 詳細はKAJIMOTOのHPを参照〕

田中彩子 ソプラノ・リサイタル2026〈夜と夢~オペラとシューベルト~〉

11月3日(火・祝)14:00 住友生命いずみホール 

佐藤卓史(p) ヘンデル:私を泣かせてください、シューベルト:4つのカンツォーネ、他
〔同プログラム公演=11月14日(土)17:00 白石市文化体育活動センター ホワイトキューブ(宮城)
 /23日(月・祝)14:00 しらかわホール/27日(金)19:00 第一生命ホール〕

 主に西日本の演奏会から紹介する。今年、創立70周年を迎えた京都市交響楽団が五嶋みどりを招いて、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏する。指揮の沖澤のどかとは昨年11月に沖澤がボストン響でデビュー公演をした際にも共演した。
 後半は、アメリカの黒人女性作曲家フローレンス・プライス(1887~1953)の交響曲第1番を京響初演で取り上げる。黒人奴隷らが踊ったアフリカ由来のジューバ・ダンスのリズムなどを盛り込んだこの曲は、33年にシカゴ響が初演。米主要オーケストラに取り上げられた初めての黒人女性作曲家の交響曲として知られ、再評価が進んでいる。京都公演は完売だが、西宮と福山でも同プログラムの公演がある。女性作曲家の作品を演奏会に盛り込むクラシック界のジェンダー平等が、日本でも意識されるようになりつつある。
 ロシア出身のピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワが大阪に登場する。ショパン国際ピアノコンクールで2010年、女性としてアルゲリッチ以来の覇者に。円熟味を増すロシア・ピアニズムの響きを楽しみたい。バッハ、ベートーヴェンに続き、ラヴェル《亡き王女のためのパヴァーヌ》、ショパン《エチュード集》ほか。12月の東京、仙台公演では、上記の2曲に加えて、ブーレーズの《12のノタシオン》や、自身が共同委嘱した藤倉大のピアノ曲《Quiet Offering for piano》の日本初演など現代曲を盛り込んだ別プログラムになる。

 コロラトゥーラ・ソプラノの田中彩子がオペラ・アリアやシューベルトの歌曲などでリサイタル。モーツァルト《魔笛》から「夜の女王のアリア」など。独特の語り口も魅力だ。

清宮美稚子◎本誌編集

N響創立100年特別演奏会でデュトワ&アルゲリッチが共演

シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団
 第2077回定期公演 Aプログラム〈N響100年特別企画〉

11月28日(土)18:00・29日(日)14:00、NHKホール
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

ファリャ:バレエ組曲《三角帽子》第2番、ラヴェル:ピアノ協奏曲、ベルリオーズ:幻想交響曲

アンドレアス・オッテンザマー指揮
 愛知室内オーケストラ シューマン・ツィクルス

11月13日(金)18:45・14日(土)14:00、しらかわホール
ルートヴィヒ・クヴァント(チェロ:13日)
13日=交響曲第1番《春》、チェロ協奏曲、交響曲第4番/
14日=交響曲第2番、第3番 《ライン》

REICH / PÄRT 90〈加藤訓子が紡ぐ、ライヒ/ペルト90〉

11月17日(火)19:00 サントリーホール ブルーローズ
加藤訓子(パーカッション)KUNIKO KATO & MUSICIANS 
ライヒ:シックスマリンバズ・カウンターポイント,ペルト:フラトレス,他

〔20日(金)19:00  穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース/
 28日(土)14:00  三重県総合文化センターでREICH90公演あり〕

 11月のN響は、来る27年元旦の大仕事で注目度高まる中での「ソヒエフ月間」だが、加えて12月のA定期が前倒しとなり、創立100年特別企画として月末に開かれる。創立70年の1996年、常任指揮者に就任したのがデュトワで、12月にアルゲリッチをソリストに迎えての特別演奏会が開かれた。30年経って、東京での両者の共演が再び実現する。協奏曲は、96年はショパンの第1番だった。今回はラヴェル。メインの《幻想交響曲》は96年と同じプログラムだ。一般発売は10月25日からだが、一体どうすればチケットが入手できるのか、頭を巡らすことになろう。
 愛知室内オーケストラが2日連続でシューマン・ツィクルスを敢行する。指揮はベルリン・フィルを2025年に退団し指揮活動に邁進するA. オッテンザマー。13日には、1993年以来同フィルの第一ソロ・チェリストを務める名手クヴァントがソリストで登場するのも注目だ。ちなみにクヴァントはG.オピッツ(p)とのデュオ・リサイタルも開く(10日(火)19:00、TOPPANホール)。
 今年は、ライヒの生誕90年にあたり、世界的パーカッショニストの加藤訓子くにこが北米を含む記念ツアーを開催中だ。11月の東京と豊橋では合わせて生誕90年のペルトも取り上げる。ライヒの《シックスマリンバズ・カウンターポイント》など、自身による多重録音でも評価の高い加藤だが、若い仲間たちとどのような生演奏を聴かせてくれるだろうか。

 最後に注目のオーケストラ公演を少し。都響はルスティオーニの首席客演指揮者就任記念でマーラーの《復活》(27日、29日)、高関健指揮富士山静岡響はブルックナーの5番で静岡(28日)、東京特別公演も行う(30日)。